20代最後をナミビアで

青年海外協力隊(2016-3)としてナミビアで中高生にコンピュータの授業を教えています

ナミビアの学校システムが変わる!その1

こんにちは。お久しぶりです。りーです。

今日は、「ナミビアの学校システムが変わる!」についてです。
厳密にはもう変わってきています。ただいま、移行期の真っ只中です。
※完全に、自分のための記録メモみたいな、写真もない、ただただ長文の記事です。

 

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要約すると、
・中学レベル終了がGrade 10からGrade 9に変更!
・Grade 11で高校卒業資格が得られる!
ということです。

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ナミビアの小中高は大きく、
・Grade 1からGrade 7までのprimary school
・Grade 8からGrade 12までのsecondary school
に分かれます。

更に、セカンダリースクール(日本の中高に相当)は
・Junior(中学レベル)
・Senior(高校レベル)
に分かれます。

私の配属先はGrade 8からGrade 12の生徒がいるセカンダリースクールですが、中学から高校へ上がる際には国家試験に合格しなければなりません。
また、combined school コンバインドスクールというのもあり、こちらはGrade 1からGrade 10までの生徒が通います。よって、コンバインドスクールに通う生徒が高校に進む場合は、どこかのセカンダリースクールを選んで入学するということになります。

さて、コンバインドスクールがGrade 10までなのはなぜか。
それは中学が終わるのがGrade 10だからです。

現在(というか旧システム)は、Grade 8からGrade 10が中学、Grade 11とGrade 12が高校の扱いです。
2016年までにGrade 8になった生徒(2018年度Grade 10)
・Grade 10で中学卒業試験である国家試験 Junior Seconday Certificate (JSC)を受ける
・Grade 12で高校卒業試験である国家試験 Namibia Senior Secondary Certificate Ordinary Level / Higher Level (NSSCO/H)を受ける
必要があります。

しかし、2015年度から順次新システムに変わってきていて…セカンダリースクールに関しては2017年にGrade 8になった生徒(2018年度Grade 9)から新システム・新シラバスが適用されています。

その新システムの変更点は以下の通り。
・中学がGrade 8とGrade 9に、高校がGrade 10からGrade 12になる
・Grade 9で中学卒業試験である国家試験 Junior Seconday Semi-external Examinationsを受ける
・Grade 11で高校卒業試験である国家試験 Namibia Senior Secondary Certificate Ordinary Level (NSSCO) を受ける
・国内外の大学等に進学する場合はGrade 12に進み、Namibia Senior Secondary Certificate Advanced Subsidiary (NSSCAS)を受ける

大きな変更点はGrade 9で中学が終わるっていうことと、Grade 11で高校卒業資格が得られるというところでしょう。
そして、大学に進学する場合はセカンダリースクール卒業までに合計3つの国家試験を受けねばならなくなるという…Grade 11で終わっても進路は限定的なので私の配属先ではGrade 12まで進む生徒が多そうです(勝手な想像です)。

表にするとこんな感じ↓(大してわかりやすくなったわけでもないw)f:id:h283-namibia:20180709045930p:plain

さて、今年の国家試験、何が起こるか。3学年が受けるんです。
・新シラバスのGrade 9が新システムでの中学卒業試験
・旧シラバスのGrade 10が旧システムでの中学卒業試験
・旧シラバスのGrade 12が旧システムでの高校卒業試験

Grade 9の中学卒業試験は今年が初実施となります。初めてなわけですから、学校でも教師陣は分からないことだらけです。(今年に入っても決まっていないことが多いのです。)
今学期のはじめに分かった情報は、英語、数学、歴史、地理、物理、生命科学の必修6科目のみ国家レベルで統一した試験を作成するということ。他の選択科目(私の配属先ならアフリカーンス、オシンドンガ(ローカル言語の1つ)、ドイツ語、会計、コンピュータ・スタディーズ、起業、農業、家政など)は州でつくってね、といった感じみたいです。コンピュータ・スタディーズもドイツ語も、私の住む州で教えている学校って2,3校しかないはず。。。誰が作成するの?州ごとにレベルまちまちにならない?って疑問は尽きません。笑
生徒にはこの情報は言わないようにしよう、じゃないと6科目以外をおざなりにしちゃうから、と教師の中では話しています。
情報は更新されているのでしょうが、私が把握しているのはここまで。

そして深刻なのは今年のGrade 10です。なぜか。
国家試験に不合格の場合、セカンダリースクールには残れないからです。残された道はNAMCOLという教育機関に行くこと。NAMCOLはうまく説明できないのですが、学校に通っていない人が、国家試験合格のために通うところという感じでしょうか。
これまでのGrade 10は国家試験不合格の場合、もう一度Grade 10をやり直して翌年の国家試験を受けることができました。しかし、旧システムでの国家試験は今年が最後。来年はもうありません。来年のGrade 10はジュニアでなくシニア 高校レベルなのですから。

この移行期間は2020年、つまり旧システムで教育を受ける最後の学年である今年のGrade 10がGrade 12になる年、まで続きます。

いま、セカンダリースクールは2つのシラバスが混在しています。
2018年度はGrade 8とGrade 9が新シラバスを、Grade 10からGrade 12が旧シラバスを使っています。
この新シラバスがね、内容盛りだくさんすぎてすごいんです。昨年(つまり新シラバス初年度)の最終学期は色んな科目でGrade 8の補講を行っていました。どうやったら授業時間内にカバーできるのか教えてくださいってくらいの量なんです…!
加えて何が大変かって、科目合格ラインが旧シラバスの30%から40%になったこと。
これについても書きだすと更に長くなるので、改めたいと思います。

 

私は着任したのが2017年で、はじめに担当したクラスがGrade 8だったので、コンピュータ・スタディーズに関しては新シラバスしか使っていないんですね。今年はGrade 9も教えていて、もちろんGrade 9の新シラバス初年度なわけで、けっこうキリがいい感じです。カウンターパートだって、同僚全員が、このシラバスに沿って教えるのは初めてなのですから。
ナミビアの教育システムの過渡期にちょうど活動できているのかな~なんて思う半面、新システムが今後どうなっていくのか、数年先まではこの目で見られないのもものさびしいなと感じます。特に、Grade 11で終わる生徒とGrade 12まで進む生徒の割合はどんなものなのか、気になります(全国的、地域別、学校別で差はありそうです)。

 

それでは、懲りずにその2も書きます。
その2は、新シラバスの内容(主に合格ラインに関して)を予定しています。